2012年1月19日木曜日

「地元の病院の検索と予約が取れる、病院のポータル」ZocDoc

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■どういった問題を解決しようとしているのか

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体の調子が悪いとき、医者に見てもらうため病院に予約をいれる必要がある。日本では予約のほとんどが電話予約であり、インターネット予約ができる病院はごく限られている。また、できたとしても予約を第2希望くらいまで書いて送信するだけのフォーム(OKを押すと病院に予約のメールが飛ぶ)であることが多く、医師が空いているスケジュールがわかりそこに予約を入れるといったシステムはほとんどない。

しかし、電話予約だと病院が開いている時間にアポイントを取らないといけないし、空いているかを確認して空いていない場合は次の病院にまたかけるなど非常に面倒くさい。

■どんなサービスなのか

Zocdocは、全国の病院を検索できる検索ポータルであると同時に病院のウェブ予約ができるサービスである。

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まず、患者は、自分の住む地域と見てもらいたい内容(歯医者なのか眼科なのか等)、健康保険の種類を登録し検索する。

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すると、その地域の該当する病院が地図とともに表示される。

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病院の詳細情報や医者の予約が取れる日時、その医者の評価が一覧で表示される。

予約を取る時間をクリックすると、いくつかの質問を埋めるフォームが出てくる。質問にはい、いいえで答えてサブミットすると予約が取られる。

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■会社/サービス情報

USA
創業 2007/9
従業員 200
月間ユニークビジター数 304,298
月間ユニークビジター増加率(昨年比) 505%
投資状況 2011/9 : $75M(Series C)
投資総額 $95M
(* CrunchBaseより取得)

なお、ZocDocは、アメリカでは病院の予約プラットフォームの中ではトップを走っているサービス。

■日本の市場

なぜ日本では予約受付システムを持つ病院が少ないのだろうか?ある医療関係の友達に聞いてみたところ、アメリカと違い、導入によるメリットが少ないからではないかとのこと。

アメリカでは、健康保険は国民みなが持ってるわけではなく、自分たちでお金を払って健康保険に入る。健康保険は保険会社によって値段やサービスが異なる他、使える病院も異なる。また、病院ごとに診療費も異なるため、患者は自分の健康保険が使える病院を探す必要がありその中でも診療費の安い病院であったり、診療費が高ければそれなりのサービスがあるかを見る事になる。

従ってアメリカでは病院間に競争が生まれ、サービス向上の1つとしてこのような予約受付システムの導入を入れるインセンティブが生まれるのだと思う。

一方で、日本は、国民はみな健康保険に入っており病院での診療費はどこにいっても一律である(診療内容によって点数化されている)。患者は基本的に自分が住む場所に近い病院にいけばよく病院を選ぶ動機はあまり見つからない。病院としても新しいシステムを導入する費用に見合うだけのインセンティブがない(ように見える)ため、予約受付システムは普及しづらいのだと思われる。

しかし、今後病院の主要ユーザである高齢者層にもインターネットを普段から使う人々の割合が増えてくるため、おのずとこのようなニーズは高まってくるに違いない。それに加え、日本では行政の方針もあり、病院間の競争が激しさを増してきている。患者を取れない病院の倒産数が増えており患者を増やすためのサービス向上に目を向ける病院も多くなると思う。TechCrunchの記事では、このサービスを導入する事で10~20%の今までリーチできなかった患者を獲得できたとのことなので、それなりの規模の病院ならば十分payできるんじゃないかと思う(初期費用なしの月2万円くらいだから1週間に2、3人患者が増えるだけで元とれそうな気がするけど)。

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利用者の立場から言うと是非このサービスが普及して病院予約が便利になって欲しいですね。

 

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