2011年12月19日月曜日

「深刻な病気に悩む人々のSNSコミュニティサービス」をまとめる

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■どういった問題を解決しようとしているのか

「自閉症の子を持つ親のSNS」myautismteamで紹介したように深刻な病気や慢性的な持病を持つ人々にとって、同じ境遇の人との繋がることによって得られる心の安定や様々な情報収集は非常に重要な意味を持つ。Facebookやmixi等の大手SNSであっても人との関係を得ることはできるが、同じ目的を持って集まるコミュニティサイトのほうがより効率的に上記の目的を達成できることは容易に想像できる。

病気を持つ人々は例えば以下のようなニーズを持っている。

・かかりつけの医者以外の意見(セカンドオピニオン)を利害関係のない人から聞きたい
・病気を治すもしくは、症状を緩和するための日常的な生活上の工夫等、細かな情報を広く集めたい
・同じ悩みを持つもの同士がお互い励まし合うコミュニティが欲しい
・自分の住む地域での専門医を見つけたい

■どのようなサービスなのか

深刻な病気や慢性的な持病を持つ人々のコミュニティの場を提供するサービスをまとめる。美容や整形、ダイエットといった病気ではない(肥満は病気かな?)ものをターゲットとしたサービスは除いた。

これらのサービスの特長は、まずユーザの年齢層が35~44歳と45~54歳で7割以上を占めることである。インターネットの主要ユーザは25~44歳なのでユーザ層が高齢に偏っている傾向にあり、40代になり様々な持病に悩まされる年頃でインターネットに慣れ親しんでいるユーザが使っていると思われる。より病気に悩まされる人々が多いと思われる55歳以上のユーザが少ないのはインターネットを使う人が少ないからだろうが、今後増えていくことは間違いない。

また、特徴的なのはアメリカのどのサービスも例外なく女性ユーザの比率が男性ユーザの2倍程度あることだ。女性の方が男性より2倍病気になりやすいわけはないので、恐らく人と自分の状況を共有したいという気持ちが女性に強いのではないかと個人的には思っている。

どのサービスにもある機能としては、

・各病気ごとのディスカッションフォーラム
・各病気に関する情報ページや専門家のオピニオン紹介
・友達登録もしくは友達をフォローするといったSNS機能
・メッセージ機能。メールアドレスを晒さずに友達とのコミュニケーションを取るために使用する。

などがある。 さらにユーザが日記をつけられる機能や、自分の体調を記録しグラフ表示したりするオンラインツールを提供するサイトも存在する。

先進国は、今後少子高齢化に入る国が多い。また、インターネットに慣れ親しんだ人々が今後高齢者層にも増えてくるため、この市場は今後大きく成長すると考えられる。

■マネタイズの方法

基本、病気を持つユーザに提供されるサービスは全て無料である。

なので、ユーザ以外から利益を上げないといけないのだが、まず考えられるのが広告収入。患者という明確なプロフィールの人のみが集まるため効率性の高い広告が作れると思われる。

また、例えば以前紹介した治験のためのユーザセレクションに必要な情報を提供するといったユーザ情報を病院や研究機関に提供して収益を出すのかもしれない。

■日本市場でのサービス

これから紹介するが、英語圏ではこの市場には多くのサイトが乱立している。これはこの分野のニーズの多さを示しているが、日本ではまだ少ない。

英語圏の人口は現在3億8000万人と言われている。日本は1億3000万人なのでこの1/3と考えてよい(日本が少子高齢化していることを考えるともっと大きいかも)。従って単純に考えれば英語サービスのユーザの1/3程度のユーザを持つサービスがあってもおかしくないはずだが、調べた限り、LifePaletteでUUが27000人と1/40レベルにとどまっている。

LifePaletteはサービスがローンチしてから1年程度と若いためこれから伸びるサービスなはずだが、参入機会はまだあると考えられる。

■各サービスの特長

紹介するサービスの一覧は以下。

CarePages

Daily Strength

MDJunction

revolutionhealth

patientslikeme

LifePalette

では、早速紹介。
なお、以下に出てくる統計データはGoogle doubleclick adplannerより取得している。

CarePages

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CarePagesは、ブログ作って他の人と情報を共有するサイトである。

ユーザは必ず自分のサイトをCarePages上に持ち、日々思った事等を記録する。このブログはアクセスコントロールを指定でき、自分と自分が許可した人しか見れないようにすることもできるし、CarePages上の友達にしか見れないようにすることもできる。掲示板や情報記事等もあるが、基本は、病気を持つ人同士がブログで交流するサイトのようだ。

また、友達にギフトを贈るというサービスがあり、商品を選んでamazonからギフトを贈ることができる。ここでマネタイズしようとしてるのかな。

Daily Strength

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ヘルスケア系情報サイトでは最大手の1つ。サポートする病気は非常に多く、1つ1つのサポートグループのユーザ数も多い(例えば糖尿病はtyp1, typ2合わせて4296人登録がある)。

機能としては掲示板の他、自分のブログを書ける機能、友達登録、メッセージ機能、フォトアルバム機能などがある。

Expert Answersと言う、専門家に対し質問ができるサービスがあり、セカンドオピニオンを得たい場合はなど役に立つ。医者としても自分の活動や宣伝をする機会となるため質問に対してはほとんど医者のレスがついている。

なお本サービスはFacebookでの認証ができる。この手のサービスにFacebook認証が少ないのは、やはり高齢層を意識してるからかな?

MDJunction

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ヘルスケア系の大手コミュニティサイト。サポートグループの種類は、糖尿病からガン、心臓病、虫歯に至るまで多岐に渡る。

サポートグループの中での活動は、掲示板での情報共有やその病気に関連する論文や記事、動画の紹介の他にユーザ自身が日記を付けそれをきっかけにユーザ同士が交流する仕組みも持っている。

また、地域ごとの医者の検索や健康保険の紹介といったコーナーもある。どのようなビジネスモデルなどは調べてないから想像だけど、この健康保険の広告料や医者の紹介料で運営しているんだと思う。

revolutionhealth

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健康と薬の総合情報サイト。100を超える健康に関するオンラインツールを提供しているのが特長。例えば、下記は血圧を毎日記録してグラフ化できるツール。

こういったツールは、世の中にいっぱいあるけど、ヘルスケア情報やSNSと一緒の場所にあって融合しているところがポイントだと思う。このツールで出るグラフ結果とかをコミュニティ上の医者と共有できるというのは素晴らしいサービスじゃないかな。

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patientslikeme

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「私と同じような病気で悩む人と繋がる」ことをコンセプトにしたサービス。

ユーザ登録時に本サービスを使ってる人全体の統計を表示してくれるのだが、40代50代が多く、なんと70代以上も2000人以上登録者がいることがわかった。どうしても必要なサービスというのはインターネットが得意不得意にかかわらず、使ってもらえることがわかる。

他のサービスと同じように毎日日記を書くような機能があるが、登録方法は「その日気分は?Very good, good, netral, bad ,very bad」を選び、「なぜその気分?」を記述するという形式。

また、自分の今日の状態をかなり詳しく設定でき、それが他のユーザに公開されるため、自分の今の体の状態とまさに同じような人を探すこともできる。

自分の状態は下記のように選択形式で選べて簡単に設定可能。

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当然他のサイトと同じくフォーラムやメッセージ機能なども備わっている。

LifePalette

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ガン患者とその家族を対象としたSNS。

ダイアリーや病気体験記を書き、それらを通して他のユーザと繋がるサービスである。

また、病気についての情報ページやQ&Aの掲示板もある。Q&Aは専門医などプロフェッショナルが積極的に答えるというよりかは患者同士お互いわかることを共有しましょうという形のようだ。

他のサービスにない特長としては病気体験記という自分の体験記を書ける点。ひとつの本のようになっていて、ビジュアル的にもいい感じのサービスである。

別サービスのPalette Shopにリンクがあり、病気に関連する商品を買う事ができる。

 

 

2 件のコメント:

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